Closer (クローサー)

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 ただの不倫や浮気の昼ドラ並みにどろどろした話かと思って観た映画だったけど、「真実」(もしそういうのがあるのなら)にとてつもなく近い映画だと思った。
 一応恋愛が中心の映画だったけど、私には「真実」がこの映画のテーマだと思えた。(むしろ恋愛は話を進めるための仕掛けみたいな。)特にカメラマンのAnnaが撮ったAliceの写真に対するAlice本人のコメントが怖いくらいに真実に近かった。Aliceの恋人のDanがAnnaと軽い浮気をしたのを知って、Aliceが涙を流しているところをAnnaは写真におさめる。その写真を観てAliceが言ったコメント「写真は嘘をついている。写真の中にいる人はとっても悲しんでいるのに写真は客受けがいいようにそれを美化している。」、これが何よりも心に残った。この映画の中ではそれは写真だけど、何にでもあてはまるような気がした。失恋したときの(ブログじゃないほうのプライベートの)日記ではまるで映画のワンシーンみたいに書かれているし、プロの人に撮ってもらった写真は絶対に美化されてるし、普段きている洋服だって着ている人を美化するわけだし(一般的に)、料理屋さんの照明だって料理や人を美化するように考慮されてるし。
 こんなことを思ってバスにのっていたら、隣に座っていた人の携帯が鳴った。音の悪い着信音に続いて、「Hello sweetie」っていう不快なくらい甲高い声が聞こえた。そして、とてつもなく明るい声で「I miss you.」。いやいや絶対missしてないから、と思わずつっこみたくなってしまった。
 結局真実なんてなくて全部嘘かとも思うけど、真実がないと嘘は存在しないわけで。なんだか頭の中が混乱中です。
 個人的な感想はともかくこの映画、もとは戯曲で台本がすばらしくいい!というわけで、元の戯曲の台本まで買ってしまいました。演技もいいけど、台本、すばらしいです。
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by bluebirdweather | 2005-05-22 12:57 | これまで見た映画リスト  

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