京都デート話

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小説「檸檬」の舞台にもなった老舗の丸善がカラオケ屋さんになり、映画館がファッションビルになり、「寂しいなあ、京都やのに情けないなあ」と思いながら河原町を歩いていると、谷崎の小説にでてきそうな、すこし黒ずんだ白い壁のこじんまりとした二階建ての洋館がでてきます。そのすぐ近くにある「志る幸」に母と向かった帰り、「ここ、行ったことある?」と母に聞かれ、「ないわ、美味しいん?」と答えると、まあ、行ってみようということになりました。

入り口や窓辺には色々な色のタイルが敷き詰められ、木製の重たいドアまでのスペースを覆っています。

学校の先生みたいな声の大きさの「いらっしゃいませ」とクラシック音楽が迎えてくれます。二階席に、と案内され、小さなブースに、座ると、ブーツをはいていたせいもありひざがコーヒーテーブルにあたってしまいます。相手とのこの近さがまたいいのかもしれません。
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私はコーヒーを、母はミックスジュースを注文して待っていると、飾りや、照明、ひとつひとつのものがうまくとけ込んでお店独特の外の世界より1.3倍くらいゆっくり過ぎていく時間を作り出しています。
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少し冷たい空気を店内に通す窓際になにげなく置かれた植物が、じっと周りの会話を聞いているような気がしました。

「ここ、お父さんとよくデートできたんよ。でも、こんな暗い明かりやったら、相手がハンサムかどうかも分からへん。」照れ隠しの言葉が、急に母を可愛く見せました。もし、将来お母さんになれたら、この話したいな。

スターバックスに影響されたお店が多い中、こんなお店いいなあ、と思います。舞妓さんの絵も、大文字の絵もないけど、ちょっと意固地な、でもその意固地さによって空気感まで守られた、ある意味京都らしいお店でした。

築地
京都府京都市中京区河原町四条上ル東入ル
075-221-1053
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by bluebirdweather | 2008-12-26 01:07  

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